うつ病

うつ病とは?

私たちは、日常生活の中で様々なストレス感じながら生活しています。 時には気持ちが落ち込んだり、憂うつな気分になったり、イライラしたりと気分の変動を感じることは誰でも経験があると思います。 このような気分の変動があっても、ほとんどの場合は時間が経つと自然に回復し元気を取り戻します ところが、この気分の変動の原因が解決した後でも、あるいは気分の変動のはっきりとした原因が思い当たらない場合でも、このような落ち込んだ状態が長引いてしまう場合があります。 そのために日常生活に支障を来してしまうほどの状態が2週間以上持続するのがうつ病です。

うつ病の症状は様々で、精神症状と身体症状があります。また、これらの症状が一日の中で時間帯によって変化することが多いのもうつ病の特徴です。朝に抑うつ症状が強く、夕方にかけて症状が軽減していくことが多いようですが、人によって様々です。

 

 

精神症状

憂うつ気分

気持ちが落ち込む・急に悲しい気分になる・理由もなく涙が出てくる・希望を持てない・不安になったりイライラしたり落ち着かない・喜怒哀楽の感情がなくなった

興味や喜びの消失

今まで楽しく思えていたことが楽しくない・テレビを見ても面白くない・本や新聞などに興味がなくなった

思考力や集中力の低下

テレビや本の内容が頭に入ってこない・ぼんやりして頭がさえない・慣れた作業でもミスが増えたり、時間がかかってしまう・考えがまとまらず、判断力が低下している

意欲の低下

何かしたい、何か食べたいなどの意欲が湧いてこない・人と会ったり、話したりするのがおっくうになる・外出できなくなる・入浴、歯磨きなどが面倒に感じたり、できなくなる

自責感

物事を悪い方に考えてしまう・「自分のせいだ」「自分はだめだ」と自分を責めてしまう・人に対して申し訳なく思う

希死念慮

苦しくて死んだ方がましだと考えてしまう・どこかに逃げ出してしまいたくなる

 

 

身体症状

睡眠の異常

寝つきが悪い・何度も覚めて熟睡感がない・早朝覚めてしまう・逆に、いくら眠っても眠い

食欲の低下や増加

食事をしていても美味しく感じない・砂を噛んでいるように感じる・嗜好が変わり、甘いものばかり食べたくなる

疲労感・倦怠感

体が重く感じる・だるくて何もしたくない・歩く速度が遅くなった

痛み

肩こり・頭痛・腰痛・背痛・胃痛

性機能障害

月経異常・性欲低下・勃起障害

 

 

うつ病の原因

昔は、うつ病は「気の持ちよう」だとか「怠け病」等と病気としての理解が得られない時代がありました。 まだ解明されてないことも多いうつ病ですが、近年では、うつ病の原因のひとつとして脳内の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン等)の濃度が低下しているという仮説がります。 また体の病気や性格、環境の変化など様々な要因が絡み合って発病すると言われています。

 

 

どんな性格がうつ病になりやすいのか

几帳面、完璧主義、責任感が強い、真面目、他人任せにできない、臨機応変にできない、人に頼まれたら断れない、他人の評価を気にする、自分の考えや気持ちを人に言えない、道徳観が強い など

 

 

誘因となるストレス

うつ病の原因が全く分からない場合もありますが、大なり小なりのストレスが引き金となる場合が多いと考えられています。

ストレスと聞くと、嫌な事だと考えがちですが、結婚や昇進など、一見、ストレスとは無縁の事柄と思われがちな出来事もストレスやうつ病の一因となる場合もあるのです。家を買う・引っ越し・結婚・出産・自分や家族の病気・経済苦・いじめなど、身体的病気や他の病気の治療薬が原因となることもあります。

体の痛みや、体の不調などによって社会生活に支障をきたしたり、長期間の療養による経済的な負担などが重荷になってストレスとなり、抑うつ症状をきたす場合があります。薬の中には副作用として抑うつ症状が現れるものもあります。よく知られているものとしてはインターフェロン製剤や副腎皮質ステロイド薬などがあります。

こういった精神科以外の病気の治療を目的として服薬していた薬の副作用でも抑うつ症状がでる場合があることを知っていれば、早めに気づき医師に相談・報告をすることで、悪化を予防することができます。これらの服用後に「気分が落ち込む」「今まで興味があったことに興味がなくなった」「急に悲しい気持ちになる」「イライラする」「集中力がなくなった」「眠れなくなった」などの抑うつ症状に気が付いたら勝手に薬を中断せず担当医に速やかに相談してください。